適応 (てきおう、)とは、何らかの状況にふさわしいことや合致していることを指す言葉で分野ごとに異なった用法で用いられている。
- 生物学・生態学において適応とは、生物種がある環境のもとで生活するのに有利な形質を持っていること、あるいは生存や繁殖のために有利な形質を持っていることを言う。後述。
- 医療分野においては、治療や検査など医療行為の正当性、妥当性を意味する。いかなる場合でも施行する妥当性があることは「絶対的適応」、状況によっては妥当な場合は「相対的適応」と表現する。
- 「健康保険適応がある」とは、医療費の一部または全部が保険から支払われ、保険者や被保険者(診療を受けた者、患者)の負担が軽減する状態を指す。
- 医師は処方箋を書く際、使いたい薬剤の適応のある疾患名を、診療録の病名及び主要症状に記す必要がある。
- 制御工学では、制御対象の特性が未知または予測不可能で最適な制御パラメータを事前に決定できない場合、実際の制御時に特性を検出し、それに応じて制御パラメータを変えることを適応という。コンピュータにおける適応とは通常この意味だが、例外として、遺伝的アルゴリズムでは生物学と同じ意味で適応という言葉を使う。
- 心理学における適応とは、一般的な社会生活を問題なく送れること。適応障害も参照のこと。
- 生理学や心理学では順応と訳されることもある。暗順応を参照のこと。