逃亡(とうぼう)とは、
律令制のもとで、
囚人や
流罪者、
征行の軍や任務に配された兵士・
防人・
衛士・仕丁、本主の下にある
奴婢などが所定の場所から離脱する不法行為を指す。これに対して、それ以外の
公民の
本貫からの離脱を「
浮浪」と称したが、実際にはほとんどの公民には平時においても課役の義務を負っていたことから、ほとんどの場合は本貫における課役の義務を放棄して離脱した逃亡行為と同一視されたことから、実際にはほとんど区別されず、両方を合わせて「
浮逃」と呼ばれる場合もあった(本貫以外の土地で
庸調の納付などの義務を果たしていれば単なる浮浪として扱われたが、その例は少ない)。また、近年における異説として、本貫や任務地から離れた公民を本貫地・任務地側からは「逃亡」と称し、所在地・逗留地側からは「浮浪」と称したとする説も出されている。