忍術(にんじゅつ)とは、日本の
室町時代頃から
戦国時代の
諜報活動や窃盗に関する技術や窃盗や諜報活動への対応法の総称である。諜報活動の際に必要となる技術や各種の武術なども含まれる場合がある。
萬川集海、
正忍記等の忍術書においては、情報収集のため相手方へ忍び込むための技術などが記述されている。
室町幕府と戦った
甲賀流や、
徳川家康の家来
服部半蔵の
伊賀流が有名である。 上記のように、忍術は戦闘技術も含んでおり、
忍具、忍器と呼ばれる独自の用具 (武器) を使用する武器術もある。ただし、記録に残る限り忍術に専門的な武器術や体術が含まれていたとすることには疑問点が多く、実際の所、特に江戸時代以降は心得や簡単な武器使用法のみで、本格的な武術は武術流派から学んでいた可能性が高い。
また武術流派には、忍術に類する技術・知識が多くの流派で
外の物(戸の入り方、闇夜での行動方法、旅先での護身法から薬、火薬の使用法まで内容は様々)などと言われて伝承されていた。場合によっては忍術そのものを含む場合もある。現存の流派では、
香取神道流や東北伝
柳生心眼流(伊達黒臑巾組流)・
鞍馬楊心流に忍術が含まれている。ただし香取神道流では主に盗人・諜報への対応策を、柳生心眼流(南方派)では戦時の情報収集を鞍馬楊心流(塩田家伝)では呪いの類を忍術と呼んでいるようである。