形式体系(けいしきたいけい、Formal System)は、
数学のモデルに基づいた任意の
well-defined な
抽象思考体系と定義される。
エウクレイデスの『
原論』は史上初の形式体系とされることが多く、形式体系の特徴をよく表している。その論理的基盤による体系の命題と帰結の関係(
論理包含)は、他の抽象モデルを何らかの基盤とする体系から形式体系を区別するものである。形式体系は大きな理論や分野(例えば
ユークリッド幾何学)の基盤またはそのものとなることが多く、現代数学では
モデル理論などと同義に扱われる。ただし形式体系は必ずしも数学的である必然性はなく、例えば
スピノザの『
エチカ』はエウクレイデスの『原論』の形式を模倣した哲学(倫理学)書である。
形式体系には
形式言語があり、その形式言語は基本的な記号(シンボル)で構成される。形式言語の文(式)は
公理群を出発点として、所定の構成規則(推論規則)に従って発展する。従って形式体系は基本的な記号群の有限の組み合わせを通して構築された任意個の数式で構成され、その組み合わせは公理群と構成規則群から作り出される。