公募展(こうぼてん)とは、美術館で開催される展覧会の一つで、広く一般から作品を募集、審査や受賞をともなう美術展である。
フランスに於けるサロン展(
サロン・ド・パリ)がその起源となり、日本でも公募展が発展した。美術家による団体(公募団体)が主催するものと、コンクール形式のものに分かれるが、一般的に「公募展」と言った場合には前者をさす場合が多い。団体系公募展は、その団体に所属する美術家によって審査されるが、コンクールの場合、展覧会主催者側に選ばれた一部の美術家、評論家、美術館
学芸員等によって審査される特徴がある。前者は全員がそのジャンル(絵画、彫刻等)の専門家である上に、人数も多いが、後者だと人数は極端に少ない上、美術家がいない場合もあり得る。両者とも、優秀な若手美術家の育成を目的としている。前者は入選、受賞し、その団体の会員に推挙されることで、その後は審査員として若手を育成、会を運営していくシステムとなっているのに対し、後者は、入選、受賞が目的であり、通常、受賞後はその展覧会には出品しない。団体系公募展は、かつては東京都美術館、現在は国立新美術館を会場として、毎年同時期に開催するケースが多い。地方で巡回展を行う団体もある。
ジャンルとしては、
油彩、
水彩、
日本画、
洋画、
水墨画、
版画、
彫刻、
写真、
工芸、
陶芸、
立体、
デザイン、
書などがある。団体によって、具象画が多いものや抽象画が多いもの、人物が多いものや静物画が多いものなど特色がある。