ポスト構造主義(ぽすとこうぞうしゅぎ、)は1960年後半から1970年後半頃までにフランスで誕生した思想運動の総称である。アメリカの学会で付けられた名称であり当時のフランスではあまり用いられなかった。「反」構造主義ではなく文字通り「post(〜の後に)構造主義」と解釈すべきであるが、明確な定義や体系を示した論文は未だ存在していない。ただしポスト構造主義者たちのアプローチは隠喩、主題、合理性といった古典的な概念に対する批判において一致しており、全体主義、父権主義、差別主義、自民族中心主義、
啓蒙思想などを否定している。
構造主義、
ポストモダンとそれぞれ関係があり、
現象学の影響を受けている。このため批評家のコリン・デイヴィスは「ポスト構造主義者でなく厳密にはポスト現象学者と言うべきである」と主張している。 代表的な思想家は
ミシェル・フーコー、
ジャック・デリダ、
ジル・ドゥルーズ、中期の
ジャン=フランソワ・リオタール、後期の
ロラン・バルトなど。もっとも、これらの思想家で自らをポスト構造主義者と規定した者はいない。