ノウ・ナッシング()は、
1850年代に
外国人排斥を掲げた
アメリカ合衆国の政治的会派による運動の名称であり、政党名あるいは団体名として使われることもある。その訴えたものは
移民の政治的抑制と反
カトリック教会感情であり、時として標的にした集団に対する暴力沙汰を起こした。当時、非常に多くの
ドイツ系や
アイルランド系のカトリック教徒移民がアメリカ合衆国に渡っていたので、一般大衆の頭には、これら移民によって国内が席捲されてしまうという恐怖があった。これら移民は、
アメリカ合衆国の共和主義の価値観に敵対し、
ローマの
教皇によって操られていると見なされることが多かった。ノウ・ナッシングの活動は1854年から1856年にかけて盛り上がり、移民の入国や
帰化を抑制しようとしたが、ほとんど成功しなかった。運動に参加した者達は
イギリス系の血を引くプロテスタントの男性に限られていた。著名な指導者は居らず、大部分が中流階級だった。当時の政治的問題の焦点だった
奴隷制度への対応で分裂した。