トルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界(トルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフげんかい、Tolman-Oppenheimer-Volkoff limit)は
中性子が
縮退した星(
中性子星)の質量の上限である。これは
白色矮星における
チャンドラセカール限界と同様である。この限界はトルマンの研究結果を用いて、
ロバート・オッペンハイマーとヴォルコフにより
1939年に計算された。オッペンハイマーとヴォルコフは中性子星の中性子が冷たく、縮退したフェルミガスから成ると仮定した。この仮定から質量限界は0.7
太陽質量近くとなった
,。現在の、上とは違った仮定で推定される範囲は近似として1.5から3.0太陽質量である。この不確かさは超密度の物質に対する
状態方程式がよく知られていない事実を反映している。
中性子星はこの限界よりも軽く、中性子星の重さは、
強い力が媒介する短距離間での中性子-中性子相互作用の斥力と中性子量子的な縮退圧で支えられている。もし、中性子星がこの限界よりも重いときにはより密度の高い状態へ崩壊するだろう。それはブラックホールか他の形態である(例として、クォーク縮退圧により支えられる
クォーク星など)。縮退した物質のより変わった形の仮説による特徴が、中性子星の場合と比べてほとんど知られていなく、この限界の反対する証拠が見られないことから、多くの宇宙物理学者は、この限界を超えた中性子星が直接
ブラックホールになると推測している。