テルペノイド(Terpenoid)とは五炭素化合物である
イソプレンユニットを構成単位とする一群の天然物化合物の総称である。狭義にはテルペノイドはテルペン炭化水素の含酸素誘導体(
アルデヒド・
カルボン酸誘導体)を指すのでテルペン炭化水素を含んで
テルペン類とも称される。テルペノイドの生化学的(代謝的)起源は生物種に普遍的に見られるメバロン酸代謝経路から続くイソプレノイド生合成経路であるため、テルペノイドは広義にはイソプレノイドでもある。そしてテルペノイドやテルペンの多くは環構造を持ち複環構造も珍しくない。あるいはその基本構造であるテルペン炭化水素はイソプレノイドが環化しただけではなく、メチル基が転移した物や場合によってはメチル基が欠落したものも含まれる。。そのような多様なテルペン炭化水素がさらに異なる
官能基に誘導体化されたテルペノイドの多様性は非常に大きい。
一方、代表的なイソプレノイドは鎖状構造や連続する炭素二重結合に特徴がある。前述のテルペノイドと同様にイソプレノイドと生化学的起源を同一にする環式天然物の一群として、
カロテノイドや動物の
ステロイドと
ステロールが知られている。そしてこれらのイソプレノイドに起源を持つ天然物は広義のイソプレノイドとされこれらの
脂質・
天然樹脂はすべての生物種に存在する最も大きな天然産物のグループでもある。 イソプレノイドの分子生物学的な機能として疎水性分子を細胞膜へ接着させるなどのために
タンパク質に付加して機能を現わす。これは
イソプレニル化として知られる。