コレラ菌(コレラきん/学名
Vibrio cholerae)は、ビブリオ属に属する
グラム陰性の
コンマ型をした桿菌の一種 。
好アルカリ性で比較的
好塩性の
細菌である。
1854年、
イタリア人医師フィリッポ・パチーニ(Filippo Pacini、
1812年 -
1883年)によって発見された後、
1884年に
ロベルト・コッホがこれとは独立に
コレラの病原体として発見した。しばしば誤解されるが、コレラ菌のすべてがコレラの原因ではなく、200種類以上の
血清型に分類された中の「
コレラ毒素を産生するO1型もしくはO139型のコレラ菌」が、ヒトに感染してコレラの原因になる。O1型は古典型とエルトール型に分類される。また、これ以外のコレラ菌もヒトに感染して食中毒の原因になる。いずれも主に
河川や
海などの水中に存在する生きた菌が、その水や付着した魚介類を介してヒトに経口的に感染し、その
腸内で増殖して、
糞便とともに再び河川等に排出されるという
生活環で生息している。