ナショナル・モール(
National Mall)は、
アメリカ合衆国首都である、
ワシントンD.C.の中心部に位置する
国立公園である。時に
モール地区などとも呼ばれる。複数の
スミソニアン博物館群と、国有の美術館や記念館に沿って庭園と緑地が広がる場所であり、観光地として知られている。ナショナル・モール一帯は、
ワシントン記念塔から
アメリカ合衆国議会議事堂まで特にまっすぐに東へ伸びているが、ナショナル・モールの区域は、公式にはウエスト・ポトマック・パークと西よりのコンスティテューション・ガーデンズの一部も含まれる他、多くは
リンカーン記念館とアメリカ合衆国議会議事堂の間を中心からやや西にずれるようにして分断するワシントン記念塔まで含んだ範囲全体を指す場合が通例である。
ナショナル・モールの構想は当初、フランス人のエンジニアであった
ピエール・シャルル・ランファンが、
1791年にワシントンD.C.の都市創設を計画する際に考え出されたもの。しかし彼の構想は、
20世紀初頭にマクミラン委員会が都市美運動(City Beautiful movement)に啓発され都市改造計画を提案するまで実現しなかった。モール創設の他、マクミラン委員会は、主要鉄道駅をモールの敷地から移動させ、現在の
ユニオン駅へと移転させた。